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日本における教育制度は、まだまだその歴史が深いものではありません。西洋の近代的な教育制度が日本に伝播してきたのは、明治時代になってからでした。江戸時代までの間は、寺子屋という非常に個人的かつ私立な教育機関が一般的でした。もちろん、幕府や朝廷からの教育を指導するお達しなどはなく、寺子屋の名の通り、「寺」の住職さんなどの、当時比較的学力が高く(識字することが出来る)、かつ社会的地位の低くない人が、地域の比較的経済的に余裕のある家庭の子供に対して教育を行っていました。その際、主に教材として取り扱われたのは、漢文であったといいます。それというのも、江戸時代の日本はようやく印刷技術が発達し始めた段階であり、平仮名を使ったような、文字数の多くなってしまうものよりも、漢文のように密度が高く、紙もインクも、印刷版も少なく済むモノのほうが刷りやすかったためというのが一つあり、同時に、孔子の思想でもある儒学を納めた「論語」が、日本人の精神にも非常にマッチしていたために大きな人気を持っていたということが、漢文が利用されるのに力を貸していたようです。しかしながら、そういった教育体制ですから、当然貧富の差のみならず、地域の差などによっても、大きな学力の差が存在していました。人口が多いところならば、自分自身かなり教育を受け、教養を高めてきた教育者がいたためにレベルの高い教育を行うことができましたが、地方や田舎の方ではなかなかそうはいかず、結局大した教育を受けることが出来なかったということも考えられています。そこに訪れたのが、明治維新でした。明治維新は、海外で言うところの産業革命であり、鎖国によってかなり遅れながらも、近代化を告げる大きな出来事であります。その成立には、薩摩と長州の2つの藩が非常に大きな役割をなしていたといいます。そこで登場するのが土佐の英雄坂本龍馬なのですが、今回はそれほど関係のある話ではありませんから、ここでは割愛することにいたしましょう。そうして、時は明治時代に移り、時代も近世から近代へと進化を遂げました。その時に生まれたのが「学制」という制度です。これは即ち、中央官庁となる政府が国中の教育について統括し、一定以上の年齢の子供たちに対して教育を受けることを義務付けたものでありました。その結果、日本の被教育率は飛躍的に上昇します。その時同時に行われたのが「共通語教育」です。それまでは、地方ごとに藩という体制によって統治されていたために、各地ごとにかなり特色の強かった方言を極力淘汰し、全国的に言語を統一することで、より日本の国力を高め、外国に対して自国の優秀さをアピールする必要があったためです。その当時、この共通語教育に大きな役目を果たしたのが、ラジオでした。ラジオの登場によって全国的に音声を発信することが出来るようになったため、国営から共通語を用いた放送が作られ、通常では考えられないスピードで共通語は浸透していったのだと言います。その結果、現在では日本全国で、方言は伝わらないことがあっても、共通語が通じないことは(難解なものを除けば)ほぼなくなったと言えるでしょう。そうした影響の元に、日本学問に非常に大きな影響をもたらすある一人の人物が登場します。その人は、現在にも残る慶応義塾大学の原型を作った人であり、我が国の最高額紙幣の肖像として長い間使われている人物でもある、福沢諭吉です。福沢諭吉は、いち早く英語の翻訳など、他国の文化を取り入れた学問を研究しました。そんな中で著されたのが、かの名著『学問のすゝめ』です。『学問のすゝめ』と言えば、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という一節のみがひとり歩きするように有名になってしまっているのが、多少問題ではあるといえるでしょう。この著は、あくまでも「学問」の重要性を説いたものであり、何も「神は平等だ」だなんて凡俗な一般論を述べたい書ではなかったのです。そんな学問の重要さを説いた福沢諭吉の設立した慶応義塾大学では、学生はもちろんのこと、教授でさえも「君」と呼ばれているのです。それは、偉大なる福沢先生だけが「先生」であり、他の人達は皆学徒である、というなんともはや、他では見ることの出来ない風習であるといえるでしょう。さてさて、福沢諭吉以外にも多くの近代人が学問の大切さを説き、次第に人々の間にも、学問が重要であり、国家の発展、自分自身の発展のためにはかくことが出来ないのだということが、段々と浸透してきます。その結果、現在の日本には全国各地に様々な大学や大学院が立ち並び、かなりたくさんのジャンルの学問を学ぶことが出来るようになりました。そんな学問体系は大きく分けると4つに分ける事ができます。まず1つ目は「人文科学」です。これは、哲学や歴史学、宗教学、言語学などの「人間と文化」に関わることを研究する学問であり、役に立つ学問、というよりはどちらかというと「心を豊かにする学問」としての色が濃い分野になります。そして2つ目は「社会科学」です。これは即ち、政治学や法学、経済学などの、社会の仕組みについて研究し、より良い社会形成、経済発展をしていく方法について追求する学問であり、日々の生活を豊かにするのに貢献していると言えます。さらに3つ目は「自然科学」です。自然科学は、物理学や数学、工学などの自然法則に則った仕組みについて理解する学問であり、さらには医学や獣医学などにより、そのシステムを利用して人間の生活をより快適なものにすることにも貢献しています。そして最後に4つ目は「文化芸術」で、これはその文字通り、文学や建築学、音楽や美術学などの、芸術方面に特化しています。これは人文科学よりも、より「心を豊かにするための学問」であり、直接の生活にはそれほど必要ないながらも、有るとよりうれしいといったものを司っているということが出来るでしょう。さて、今回詳しく紹介していきたいのは、この中でも「人文科学」に所属している3つの学問についてです。「精神分析学」「文化人類学」「神話学」という、それぞれ細かいベクトルは違いながらも、大きく見た時の方向性は似通っている3つの学問についてです。いずれも、非常に魅力的なものですから、是非少し覚えておいていただきたいと思います。

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