一人の天才によって確立した学問
さて、人文科学の中からまず始めに紹介するのは、心理学の中の一種である精神分析学についてです。これは要するに、心理学の中でも特に精神の活動についてできるだけ統計化し、可能な限り学問としてその問題に対策できるようにしていくことが目的となっている学問です。この精神分析学の発達には、ある一人の天才学者の存在が必要不可欠でした。その名も、ジークムント・フロイト。俗にフロイトと呼ばれる精神分析学の大家にして、神経病理学者でもあり、神経症などの研究にも尽力したと言われています。彼は、今までの心理学にはない要素として「無意識」という精神の構造に着目し、人間が無意識化に行ってしまうことが精神を分析する上で非常に重要な判断材料となるということを提唱しました。彼の分析は非常に繊細であり、詳細であり、かつ精密であったといいます。そのため、彼の観察によって多くの神経疾患が発見され、それぞれの対策法などが講じられるその原点を作り出しました。その診断方法として利用されるのは、決して特殊なものではありません。主に「夢」がその対象となりました。昨今の世の中においても「夢占い」というのが存在し、どのような夢を見るとどういう傾向があるのか、と言われることがありますが、フロイトはそれを学問として研究し、夢という無意識化の存在によって、その人の精神状態を分析することに務めたといいます。フロイトが一線を引いた後も、多くの後継者達が彼のあとを継ぎ、彼の考えをより洗練し、さらには伝播、発展させていきました。フロイトは基本的に、「性」について非常に重点をおいた精神分析w行っていましたが、のちに登場するアドラーは社会性を重視し、ユングは人類共通の不変的無意識、言い換えるならば集合的無意識の存在に注力していきます。その姿こそ、当初フロイトが提唱していたものとは多少変わりつつも、フロイトの理論を元にしていたり、叩き台にしていたりするものが非常に多いのです。現在に於いても、フロイトの理論は必ずしも時代遅れになった考え方ではなく、彼の理論をめぐって多くの議論が繰り広げられ、まだまだ発展していこうという潮流を持った学問であります。彼の功績によって一大勢力となった精神分析学は、現在においても心理的治療の面に於いて非常に大きな役割を担い、多くの患者さんの心をたすけるのに役だっているということは、間違い無いと言えるでしょう。さて、ここからはそんな精神分析学において、是非知っておきたい5つのワードについて紹介します。まずはすでに少し触れましたが、フロイト精神分析の始まりでもある「無意識」、そしてそれに関わる「イド」、さらにはより高度な精神構造である「超自我」、欲求を示す「リビドー」、そして最後に判断材料として有用だった「夢」の5つについてです。是非、教養としてでもかまいませんので、少し興味を傾けてみては如何でしょうか。
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